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福岡の再生可能エネルギー施設を視察-シャアザク並の風力 開発中-

県次世代エネルギーパーク推進協議会の平成24年研究会が、10月4日から1泊2日の日程で福岡県で開催。視察場所は北九州市八幡東区の「北九州スマートコミュニティ創造事業」と、次世代型の風力発電を開発した九州大学応用学研究所。いずれも地域のポテンシャルを最大限に活用した取り組みを行っていました。当社スタッフも参加しました。


東田高炉記念広場にそびえ建つ八幡製鉄所・旧東田第1高炉


見学施設の案内表示板に私たちのグループ名が表示されていました

初日は北九州スマートコミュニティ創造事業を視察。20世紀の幕が開けた1901年(明治34年)に高炉に火が入った八幡製鐵所がそびえ立つ東田地区は、2010年から5年間にわたり、国が実施する「次世代エネルギー・社会システム実証地域」の指定を受け、地域で生み出された電力のみで生活・経済活動をする最先端のスマートタウンとなりました。九州電力から電気は一切供給されておらず、電線・配電網もすべて同事業が管理しています。
製鉄所のエネルギー資産を有効活用したガス発電施設「東田コジェネ」(発電能力33,000kWh)が中核の発電所を担い、安定した電力を供給。石炭を精製する過程で発生する水素(水素の使用料金は無料)を街まで結ぶパイプライン網も整備され、水素ステーションのほか実証試験住宅には燃料電池も設置。このほか太陽光や蓄電池、風力なども活用し、多彩なエネルギーをスマートグリットを使い、地域に住む約230世帯、病院・量販店・事務所ビルなど約60の商業施設に送電しています。


スマートグリッドで結ばれた情報で電力供給を制御する「地域節電所」

地区内にある「北九州ヒューマンメディア創造センター」では、ICT(情報通信技術)を活用し気象情報を元に地域電力と供給量を最適化する「地域節電所(CEMC)」があり、リアルタイムに地域の発電量と使用量を把握するシステムを見学。さらにビルエネルギーマネジメントシステム(BEMC)を導入している製鉄所関連事業所では、デマンドシステムからさらに一歩進み、電気量がひっ迫したケースを想定して事業所内の供給量をコンピュータで制御していました。


コンテナの形をした40kW㊧と50kWの大型蓄電池


世界で最も高価な自転車、水素自転車の価格はベンツ並とか

実証実験に参加している各世帯には、電気使用量を表示する専用端末のほか、スマートフォンでも表示可能になっていました。今後は、節電に応じたエコポイント制度もスタートする予定で、たまったポイントは地域の商業施設で使用されるそうです。


7世帯が入居する水素実証住宅、家電製品はすべて直流電源に

製鉄所で繁栄した北九州市は、長年にわたり大気汚染の公害に苦しめられていました。案内したスタッフからは、「この地域でスマートタウンが実現したのは、市民の環境問題に対する関心が高いため」と話していたのが印象的でした。くしくも今や、製鉄事業所の施設が、世界が注目するスマートタウンの中核を担っていました。


専用アプリで使用電気量が表示されるスマートフォン

2日目は、九州大学応用力学研究所(福岡県春日市)を訪れ、大屋裕二教授から次世代の風力発電について説明を聞きました。大屋教授のグループが開発した次世代の風力発電は「レンズ風車」と呼ばれもので、通常の風車に比べ発電量が2~3倍になる特性があります。


風力発電がエネルギー革命をもたらす話す大屋裕二教授

その仕組みはシンプルで、空気は気圧の高いところから低いところに流れる特性を活かし、羽根の周りに気圧を低くするポイントを作る輪(リング)が取り付けられています。レンズが光を集めるように、風を集める風車という事で「レンズ風車」と呼ばれています。大屋教授によると、「電力会社10社の設備容量は約2億kWに対して、今後、風力を積極的に導入すれば19億kWもの発電が可能」と試算。「海外からエネルギーを輸入していた日本は逆に輸出するようになる」と、風力の将来性をアピール。日本は海に囲まれた海洋国家とあり、地理的に風力設置に適した海辺が多数あると指摘します。
レンズ風車の利点について大屋教授は、①高出力②従来風車ブレードの2/3の大きさでOK③静かな風車④避雷針で雷害防止⑤バードストライクフリー⑥景観性が向上--を挙げます。風レンズにより従来の風車に比べ静音で、風レンズの構造物による、羽根に鳥が飛び込むバードストライクの防止にも役立っているとの事。


大学キャンパス内で稼働する3kWのレンズ風車

実際に同大学構内にある3kWのレンズ風車を見学。2基が運転していましたが、風車特有の風切り音はほとんど感じなかったほか、風レンズが付いていることにより、猛スピードで回る羽根の威圧感・恐怖感も緩和されていました。なお、高さ13㍍の支柱は、根元から折れる可倒式ポールが採用されていました。研究スタッフは「クレーンを使わずにポールを倒せるのでメンテナンスの費用が軽減され、時間も短縮されます。また台風など強風が予想さる場合も事前に倒す事が出来ます」との事。


博多湾の沖合約560㍍の施設見学のため小舟に乗る見学者


昨年12月に初の洋上実験に乗り出したレンズ風車発電施設

レンズ風車の実証実験は新たな段階に進んでおり、昨年12月に博多湾に洋上風力発電施設を設置。約650㍍の沖合に設置された同発電施設は、直径18㍍の六角形の浮体に、直径3・4㍍、出力3kWのレンズ風車2基と1.5kWの太陽光パネルが置かれています。発電された電力は試験データ用に使われます。レンズ風車による初の洋上発電とあり、今年末まで発電能力や施設の耐久性などを調べます。
気になる洋上での太陽光発電の稼働状況を聞いたところ、当初は海水によるパネルの汚れ等が心配されていたものの、ほとんど塩は付着せず順調に発電しているとの事。研究スタッフによると、「当初の発電量に比べ約30%アップしています。風通しがいいので夏場も出力低下はありません」と話します。
海岸や海洋を使った発電施設の設置は、漁業権など地元の漁業組合との協議は不可欠で、設置までの手続きは煩雑になるケースが一般的。しかし、浮体物の周りには小魚などが集まり、魚礁としての役割を担うこともあり、むしろ漁業関係者からは歓迎されたとの事。実際に同施設を見学した時も、水面に何匹もの小アジの姿が確認する事ができました。研究スタッフも施設のメンテナンスの空いた時間に、釣りを楽しんでいるそうです。
今後は、風力、太陽光以外も潮力、波力を備えたマルチな自然発電システムにする計画で、多数の浮体をつなぎ合わせた巨大な自然エネルギー基地を設置。最終的には原発並の海上発電に発展させていくそうです。
生物は海から生まれ、進化の過程で陸上に生活の場を移してきました。「レンズ風車」を使って、再び海に戻りエネルギー革命を目指していきます。


浮体施設に設置された太陽光モジュール、波や潮風の影響なく発電

 

 

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